高知市のある高知平野のほぼ中心に位置する大高坂山（標高44.4m）上に築かれた、梯郭式平山城です。山の南を流れる鏡川、北の江の口川をそれぞれ外堀として利用されていました。
南北朝時代に大高氏の城として築かれ、その後長宗我部氏が織豊系城郭として再構築したことを起源としている。
現在の高知城は、初代土佐藩主の山内一豊が造成した近代城郭で､この時本丸と二の丸を完成させて入城しています。その後、二代藩主忠義が三の丸を造成し､ほぼ現在の縄張りに近い高知城になりました。享保に火災で一度多くの建物が焼失しましたが、宝暦３年(１７５３年）までに修復されました。
天守(重要文化財)と東多門櫓(重要文化財)
二の丸(虎口)から見た天守です。右に東多門櫓(武器庫)が続いています。
廊下門、納戸倉、黒鉄門
東多聞櫓、西多聞櫓、
詰門､大手門など(重文)
正門に当たります。右に追手門西南矢狭間塀左に追手門東北矢狭間塀(ともに重文)が続いています。
雨の多い土地なので、石垣が崩れるのを防ぐために、排水のための石樋が各所に見られます。
慶長年間に作られた、自然の石を使った野面積みの石垣です。主に堅いチャートを使って作ってあります。
三の丸と二の丸の中間にあるのが杉の壇です。ここには､城内で一番水質が良かったと言われる深さ１８mの井戸があります。
杉の壇から見上げると二の丸の石垣が何層にも重なり、その向こうに天守が見えます。ここで藩主の出迎えや見送りをしました。
ここの石垣もやはり野面積みです。石垣の改修が終わったのでその説明会のようです。
門扉に多数の鉄板を打ち付けてあったので、こう呼ばれています。門を囲む石垣は「打込接」と呼ばれる堅固な石垣です。
防衛上非常に重要な位置にあったため、門内は小枡形になっており、石垣の上から攻撃できるようになっていました。
鉄門跡を抜けると、詰門に出ます。本丸と二ノ丸をつなぐ役目を果たす櫓門で、藩政時代には「橋廊下」と呼ばれていました。
一階は籠城用の塩を貯蔵する塩蔵になっていて、二階は家老・中老などの詰所として使われていました。
石段を登り、回り込むと二の丸に出ます。ここには二の丸御殿(政務を執る表御殿と日常生活の裏御殿)があり、その時の庭園が残っています。
詰門の廊下橋入口です。ここは詰門の二階部分になります。後ろに廊下門、左に天守、左奥に天守西北矢狭間塀(全て重文)が見えます。
本丸と二の丸の間は堀切で、その上を渡っているのが詰門(橋廊下)です。正面が廊下門、その奥が西多門櫓(本丸の番所)、遠くに天守西北矢狭間塀(全て重文)が見えます。
詰め門の内部は家臣の詰める溜ノ間が４室あります。堀の上を渡ると、この奥に本丸へ通じる門に出ます。
出口は廊下門の下です。
廊下門の下から本丸に出てきました。詰門から本丸へは建物が入り組んでます。
天守の外観は４層ですが、構造上は３層６階、高欄廻縁付きの望楼型独立天守です。接続する本丸御殿は本瓦葺き、平屋建てで正殿は典型的な書院造りです。本丸御殿の横には納戸蔵が付いてます。城内には本丸御殿の玄関から入ります。
本丸御殿(左)に納戸蔵(右)が付属しています。納戸蔵は御殿の物置に当たります。
今は納戸蔵には二の丸御殿､化粧の間に使われていた「梅丸彫り」などが飾られています。
御殿から庭を見ると壁には物見窓が付いています。この壁は黒鉄門南矢狭間塀でもあります。
手前が二の間、奥が三の間、左奥に一段高い城主の御座所である上段の間です。
上段の間には帳台構えという座敷飾りがあります。この奥には小部屋があり藩主護衛の武士が隠れていました。
天守に繋がる式台の間と潜の間には駕籠や家紋などが飾ってあります。
４階から５階に登る階段の中段部分は暗がりの間（兵がこっそり隠れる場所）となっています。
石垣を登ってくる敵を攻撃するための石落としです。
内側の窓を開けて、床に座ってここから外の敵を狙うための鉄砲狭間です。
下には本丸の廊下門と東西の多門櫓が見え、その下に二の丸、さらに高知の町が見えます。
こちら側は崖になっているため､左下に大手門と大手通が見えています。
下には三の丸と三の丸の石垣、さらに大手門からの道が見えます。
望楼型の天守最上部は、廻縁高欄付きの古い形態で高欄には擬宝珠がついています。
天守から続く東多門櫓（右）と廊下門（左）です。
江戸時代の日時計で真ん中の線が当時の九つ刻（現在の十二時）を示しています。
本丸の片隅にある鐘撞堂です。
本丸側から見た入母屋造り、本瓦葺きの２階建ての櫓門です。柱や扉の外側に鉄板を打ちつけ、外観は黒塗りの板張りです。
ちょうど御殿庭の辺りです。塀には､物見窓、狭間、石落としが見えます。左端に排水のための石樋も見えますが、少し短めです。
天守下の部分には狭間と石落としの他に忍返（外壁の裾から鉄製の槍の穂先が突き出している装置）があります。城壁を登ってくる敵兵を阻止する仕掛けですが、これが残っているのはここだけです。
今度は追手門の外側です。石垣の上に渡櫓を載せた櫓門です。門前の西南矢狭間塀（重文）で枡形を作っています。天守と追手門が両方見えます。
道の下にも水路があり、側板、蓋石で構成されています。
追手門脇の内堀です。
自由民権運動の父とされる板垣退助の銅像です。
土佐藩の初代藩主山内一豊の銅像です。
良妻賢母で名高い山内一豊の妻の銅像です。
