1469年に岩松家純が、その重臣・横瀬国繁に命じて築かせた。国繁の3代後の横瀬泰繁・成繁父子が、1528年に主君の岩松昌純を殺害して城主となった。1565年ころに成繁は由良氏と称し由良成繁となった。彼は北に上杉謙信、西に武田信玄、南に小田原北条氏、東に佐竹氏と四方を囲まれつつも奮戦し、新田・桐生・館林・足利などを支配した。1578年、成繁が桐生に隠居して子・国繁が跡を継ぐが、1584年、北条氏によって国繁とその弟・長尾顕長（館林城主）は北条氏政によって幽閉された。由良氏は２人の帰還を条件に金山城を北条氏に明け渡し桐生に退いた。金山城には北条氏城代の清水太郎左衛門尉が入ったが、1590年の豊臣秀吉の小田原攻めにより無血開城し廃城となった。その後、由良氏は秀吉から常陸国牛久に5435石の知行を得た。
大手虎口 復元工事により、ほぼ昔の姿に復元されました。
太田市の真ん中にある金山の一番高い(左)所に金山城址があります。下にはガイダンスセンターがあり、詳しい説明が受けられます。
金山登山口の所にガイダンスセンターがあります。金山城の歴史や構造、そして復元の様子などが紹介されています。
ガイダンスセンターの向かい側に大手口石塁があります。この辺りが金山城全体の大手口だったようです。
太田城にあった7つの井戸のうちの一つといわれています。
車で上の駐車場まで登ると展望台があります。金山城は八王子丘陵の南端にあり、太田の町が見下ろせます。
上の駐車場が､金山の最も高いところにある駐車場です。東屋が本城への登城口になります。
駐車場西側の高台が西城になります。ここから東屋方面に登ると本城で、下ると見附出丸に行きます。当時は車道は無いので、かなり険しい道だったと思います。
見附出丸から西城を見ると、土塁が左右でずれています。食い違い虎口で、攻めにくい構造になっています。
下から登ってくるとここが最初の出丸になります。今は道が右側ですが、正面に食い違いの土塁跡があり､ここが本来の登城口です。
広い道を外れてしばらく上っていくと、西矢倉台があった場所です。本城に向かうときの第一の関門です。
本城に向かうときの最初の堀切で、右側に積み上げて土塁にしてあります。敷石もあり桟道にも繋がっています。
もう一つ堀切を登ると、その上が見晴らしのいい西矢倉台になっています。
次に見えるのが、土の橋を越えた先にある石垣です。ここは物見台下にある虎口です。
虎口の手前はさっきの所よりしっかりした堀切になっています。
虎口を通って振り返ると、石敷きの馬場下通路の先で竪堀を下る道と土橋を渡る道に分かれます。
土橋と馬場下通路を下から見上げると石垣でしっかり積み上げているのが分かります。土橋(竪堀)のこちら側にも崩れてはいますが石垣か築かれていました。
土橋から先を見るとこちら側もしっかりとした石垣が築かれていて、守りの堅さが分かります。
石垣の上には大手口馬場が広がっていて、その先には物見台があります。一段下にも馬場下曲輪があります。
基壇は自然の地形に沿って作られていて、柱穴が4つ見つかり物見矢倉があったと考えられています。
大手口馬場を下ってくると馬場曲輪があります。三棟(四棟)の建物や柵列があったと考えられています。
馬場曲輪入口には二段の石垣があり、登るための石階段も作られています。。
大手虎口手前にある最も重要な堀切です。長さ46ｍ･幅15ｍ・深さ15ｍで、畝状の防御設備も見つかりました。
上下二段の石垣に囲まれた戦国時代の池です。生活用品なども出土しています。
虎口は各曲輪の入り口を指しますが、大手虎口は城の最も重要な場所で、城の格の高さを示す空間でもあります。
大手通路ををふさぐように作られた土塁石垣です。何度も作り直されているようです。
大手虎口南上曲輪との間には石組み水路が通り、効果的に排水をしようとしていたことがうかがえます。
向かいの高台が三の丸(右)と二の丸(左)、南上段の井戸の向こうに見えているのが壇上土塁石垣で､裏に北通路が通っています。
北下段曲輪は大手通路を見守るように両側に配された壇状の曲輪の一つです。正面が壇状土塁石垣です。防御のために横矢を射るための構造です。
約15ｍの円形の池で湧き水を貯める仕組みだったようです。生活用水を確保するだけで無く、戦勝や雨乞いを行った儀式の場所でもあったようです。
大手虎口を登り切ったところにあるのが南曲輪です。ここには休憩所があります。
南曲輪(日の池)あたりから、回り込んで本丸に向かうところが御台所曲輪跡です。
樹高１７ｍ、周囲６．８ｍの大ケヤキで、樹齢800年とも言われる金山のシンボル的存在です。
本丸には石段を登り切った所に新田義貞を祀った新田神社が建っています。
金山城址を示す石碑があります。本丸跡や天主曲輪などの表示はありますが、建物は残っていません。
こちらの方が由緒正しい感じがします。本丸曲輪にも痕跡は残っていますが、建物の裏側です。
本丸の裏側にある広場で、馬場だったようです。ここに一部石垣が残っています。本丸下に石が多いのは石垣が崩れたあとのようです。
神社裏にわずかに残る本丸の石垣です。表面に出ている広さより奥行の方が長いゴボウ積と呼ばれるタイプの野面積です。
本丸の周りには一回りできるような道がついています。ここを通ると曲輪裏馬場に続いています。
